典型的な文系人間なので、論理的思考の必要な数学や物理などが大の苦手なのですが、自然現象がきれいな数式で表されたり、規則正しい姿で立ち現れることに驚きます。
それは人の内側も同じであって、DNAの構造などを見るとその仕組みに圧倒されます。植物の種は、あんな小さな粒に色々な情報が詰め込まれており、成長して均整のとれた姿の木になったり、見た目にもきれいで美味しい果物になったり、花になったり。高度なバイオテクノロジーの働きを感じます。
先日公園で孔雀が羽根を広げる瞬間を見ましたが、これにも羽の模様やデザインの見事な造形美に、こんなの偶然に発生するなんてありえない！と驚嘆しました。
人が泥饅頭をぽいと傍に放り投げておいても、時間が経てばそれが何かの形になる訳ではありません。むしろ時間と共に崩れ去り、ただの塵になっていくでしょう。これら自然の中に存在する完璧な美しさに出会うと、そこには遥かに高度な知性を持った存在がいて、一つ一つ丁寧にデザインしていったのを感じざるを得ません。
物作りをする人であれば、色と形を美しくしたり、使い勝手を良くしたり、人を楽しませる作品を作るには、計算したり工夫したり、手間と暇がかかり、そこに思い入れもなくてはならないことをよく知っていると思います。自然の中にあるものをじっと観察していると、作り手の思いが感じられるのです。
水紋。
