ニコライ・レーリッヒのこと

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Krishna Spring in Kullu

ニコライ・レーリッヒの名前を聞いたことはあるでしょうか?20世紀前半のロシアの芸術界に多大な貢献をした画家で、舞台芸術家、考古学者、探検家でもあるアーティストです。

精神世界について造詣が深く、作品からは異次元的な雰囲気が濃厚に漂っています。ヒマラヤの奥地を探検した時の作品群は深みを帯び、彼の画家人生の中でも白眉となっています。

彼のタッチは独特で、どうやってこの不思議な効果を出しているのか謎です。絵本の挿絵のように美しく、ほんわかとした癒やしに溢れているのですが、同時になぜか触れてはいけない底知れぬ怖さも感じます。

ヒマラヤの山地を描いた絵の中に、顔や飛行船を隠して描いたり、何やら謎めいているのです。神秘的なものってどこか怖くもありませんか?彼の絵を見る度に、きれい←→恐ろしい、の二律背反的な気持ちにさせられます。それがレーリッヒの絵の魅力なのかもしれませんが。

ですがこの人の絵は日本人の感性にもとても合うのではないかと思います。まだご存じない方は、是非レーリッヒの素晴らしい作品をご覧になってみて下さい。その不思議な魅力に心奪われること請け合いです。